アルクだよりから~シリーズ「窓を開ければ…」
「アルクだより」から通所者さんの声をお届けします
~「窓を開ければ (窓を開けば)」~
『アルクだより』は、平成4年に第1号が発刊され、現在、No.252を数えています。アルクだよりの連載記事の一つ「窓を開ければ」に掲載された多くの通所者さんの声をお届けしたいと思います。今回は、最初に通所者さんの声が掲載されたNo.102号からご紹介したいと思います。
*文章を掲載するにあたり、原則として施設名称等を含め執筆当時の原文のままとしておりますが、個人情報や一部の固有名詞等は変更しております。
アルクだよりNo.102(2006年7月12日発刊) 「窓を開けば~通所者の声」より
<<アルクデイケアセンター>>
自分勝手で金が入れば明日の事など考えず全部使ってしまう生活で、行く場所もなくなりバッグーつを持ち区役所から、自立支援施設に部屋が空いていたのですぐに入ることが出来ました。 次の日、自立支援施設の職員と診療所に行き、アルコール依存症と診断され、私は1月20日にアルクの門を叩いて通所する運びとなりました。
主治医からこのまま飲み続けると2~3年で死にます。と言われ目の前が真っ暗で、何が何だか分かりませんでした。 アルクデイケアセンターA室の午前、午後及びAAミーティングを休まないで通い続けました。ある日職員より真剣に話を聞いてみな、そうすると分かって来るよ。その日からプログラムを何回 も繰り返し読んでいました。
「そうだ、認めて信じてお任せなんだ」・・・涙が止まりません。心底思える自分、仲間の輪から離れなかったことで気付きがもらえたこと、生活面では感情のコントロール、物の考え方、居場所がある。飲んだらどうなるか(もっと苦しくなる)逆戻り、マイナスからやり直しの人生を送ることになる事も職員が注意するんだ、自分自身のことなんだと取り組んでいくように。このアルクとの出会いがなかったら今の私はいないかもしれません。これから先も原点(一人では生きていけなかった事)を忘れずに一歩一歩地に足を踏み続け、前向きに常に感謝の気持ちを持ち、謙虚に素直に第二のスタートと思い、心新たにして頑張っていきたいと思います。
<<第2アルクデイケアセンター>>
私は昨年5月にアルクへ通所することになりました。 そこで提案されたことは、酒をやめ続けることでアルクのプログラムに沿って行動していれば、 必ず飲まない生活ができると言われ、とりあえずはその流れに乗ってプログラムに従っていました。 毎日ミーティングを重ねていくうちに、少しでも飲まない行動がとれるようになり、体が楽になっていくのを感じました。
しばらくたって自分自身の欠点「高慢さ」が壁となって立ち塞がりました。 なんとかしてこの欠点をとり除こうとして悩んでいました。 そんな時、第2アルクへ通所することになり、そこでステップのプログラムを受けるようになった のです。ステップの1,2,3を繰り返してやっているうちに、自分の無力さに気づかされどんなに身勝手だったかを知らされました。その時、目の前の「高慢さ」が削られ壁の向こうには希望と言う文字が見えたのです。これからも今日一日という言葉を胸にステップを生きていくための種として歩いていきたいと思います。
<<第3アルクでの感想 >>
今から1年3ヶ月前ただ単にパン券でもいただこうかと区役所を訪れたのが事の始まりでした。第1アルクA室から通所させていただいたのですが、当初はどうにも毎日が嫌で、数日でリタイヤかなと思っていました。しかし習慣とは恐ろしいもので、職員、仲間の話を拝聴しているうちに共感することも多く、またアルコール依存症の恐ろしさも、再認識するようになりました。B室、第2アルク、第3アルク・デイケア・センターと順調に進み、仲間と共に和気あいあいと過ごしております。現在断酒の勉強の他に、ボランティア活動、書道の勉強、読書等楽しみも大変多く毎日張りのある生活をしております。
現在の状態を大切にしていけば、決して悪い方向へは行かな いものと確信しております。
<<本牧荘の思い出>>
平成17年7月31日から本牧荘での生活が始まり、最初は自分にできるかな?と思った部屋の掃除、味噌汁、ご飯炊き、洗濯、飲んでいた時はできなかった事が少しずつ出 来るようになり、8月 15 日から8月26日まで病院の眼科に入院している間に、一人の方が飲酒退所になり、私は一人部屋になりました。私の本牧荘での目的は、アパートでの暮らしでしたので、私が本牧荘で学んだ事がと ても役に立ちました。ただ残念な事は、私が本牧荘に入ってから2人の飲酒退所者が出た事です。それから本牧荘IからIIの方に移りアパートでの生活の練習した事がとても役立っています。特に隣近所との付き合い方、少しお金のコントロールがつくようになりまし た。 とても良い事は調理教室が私の良い勉強になりました。今振り返ると、本牧荘での 1年はとても早い1年でした。本牧荘を平成 18年6月 27 日に円満退所し、アパートに移り今はアパートからアルク、夜の AA に行きます。今の生活は全て本牧荘で訓練を重ねてこれた結果だと思いま す。これからも本牧荘での経験を活かし、飲まない生活を続けて生きたいと思います。本牧荘の職員さん、本牧荘の仲間、一年間どうもありがとうございました。